2004年09月01日

刑務所二題



 昨日、というか今日の夜中、ネットニュースで山本譲司・元議員が『獄窓記』で何かの文学賞を受賞した、というニュースを見た。

 「何かの」っていうのがアバウトで申し訳ないが、半日以上たって検索してももう出てこないので、確認できずにいるからなので、許されたい。
 本人は、こういう内容の本で受賞することが申し訳ない、みたいな感想を述べていたらしいけど、とにかく、受賞記念ということで、今日の書評はコレ。

 秘書給与詐取事件で実刑判決を受け、服役して出所し(模範囚として満期ではなく仮出所。現在は刑期を満了している)、今は福祉関係の仕事に携わっている著者。
 同じ容疑で、辻本清美元議員が執行猶予判決を受け、先の参院選に出馬して落選したのは記憶に新しいことと思う。

生まれたばかりの子どもと妻を残して服役する悲しさ、
ガラガラと崩れる「過去の栄光」。

 そういう内面のことよりも、特筆すべきは彼が懲役で接した「服役している身体障害者の状況」にあると思う。
 犯した罪に対して判決が下され、実刑ならただちに服役することになるのだけれど、障害があって通常の懲役ができない場合、どんなことをしているのか?
 また、そういう人たちはどんな状況におかれているのか?

 彼は、そんな、障害をもつ服役囚の世話係という懲役を果たしてきて、自身の経験をしたためたのだ。

 テレビで「刑務所の中」が特集されることはあるけれど、身体障害者について扱われることは、なかったか、非常に少ないのでは?

 ところで、刑務所作業で作られる製品について、ご存知だろうか?
 これらについて検索してみると、木工製品から食料品まで多種多様に出てくるのだけど、中でも家具類の作業で「熟練工が〜」みたいな紹介がされていたりする。
 もう、むなしくなってきますね。
 だって、熟練するほど長くそこにいるってことだものね。
 だからって「かわいそう」とは思いませんが(それが罰なんだもの)。

 ところが、一方で「刑務所の中って面白いかも?」と思わせられてしまうような作品もある。

 花輪和一『刑務所の中』。マンガです。
 山崎務の主演で映画化もされました。
 観に行こうと思ってるうちに終わってしまって、未だ観ずにいますが。

 こちらの罪名は銃刀法違反。彼ももう刑期は満了してるはず。
 文字で書かれたものと、マンガで描かれたものとで印象が違うということもあるだろうけど、花輪和一のほうのは、毎日の食事の献立では何が楽しみだの、中で所有できる私物がどうの、労役の時の「妙ちくりん」な作法だの、視点が「なんでも体験記」みたいなことになっている。

 どちらも、通常、まっとうな人間は経験するべきでない話である。
 だから、経験者が書いた作品は「体験記」として、どんなことが起きるのか、どんな気持ちになるのかを知る上で、有益なものとなるはずである。

 それぞれ真剣に書いた作品であろうに、こうも違う色を見せているとは。それが面白いと思ったな、私は。


 あ、ちなみに、刑務作業で作られた製品、全国各地の「矯正展」というイベントで展示即売されてるそうです。
 昨シーズンの旭川NHK杯でも、会場となった大雪アリーナのとなりの敷地で、やってましたね。
 スケート観に行って「じゃあ、ついでに神輿でも」とはならないだろうけど(^^;;

 ずいぶん前、そういうところで買ったという「脚つきのまな板」を近所の人からもらったのだけど、なかなか使いやすくて気に入ってたのですよね。
 まだ製氷時間中だからちょっと見るかと思ったら、終了時間すぎててがっかりしたのを思い出しました。


posted by エマ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 本の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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